横浜インターナショナルボートショー
「いつかは…」を「今から…」に
レッド・カーペットを歩く。それは赤い絨毯の先で待ち構えているハレの世界へのプロローグだ。オスカー賞授賞式会場のレッド・カーペットはハリウッドスター達のハレの場。南仏カンヌ映画祭のレッド・カーペット、ここも世界の映画人達のハレの場だ。羨望と憧憬、待望や期待…。
私が歩いているのは9月のカンヌ・ボートショーでのレッド・カーペット。マチス、セザンヌ、ゴッホ、ピカソ…多くのアーチスト達が愛したコート・ダ・ジュールの海で開催されるボートショー。どこまでも遠く青い空、エメラルド色の地中海。スターン着けでフローティングされた白いボートやヨットの壮観さ。すべてが白く同じ形状で統一された出展者のブース。バーカウンターを持ち、冷えたシャンパンを用意するブースも少なくない。歩くほどに高ぶる気分になってくる自分がわかる。世界の国旗が掲げられたメインステージでは、生ジャズバンドが更に気分を盛り上げる。ここでは観客やゲストの動線が赤いカーペットで飾られ、海とボートのフェスティバルを演出しているのだ。空の青、フネの白、整然と通路を形作る白いテントと赤いカーペット、背景のプロバンスの街並み、カンヌのオールドタウン。ショーに集う人々のファッション。粋なオールドソルト、おしゃれなカップル、手慣れたクルー達。何もセレブ達だけではない、海が好きな人、デートコースでやってきたカップル、きらきら輝く瞳でフネを見る子供達…。ボートやヨットへの憧れを体験に変えるショーがそこにはある。フローティングで感じる実感。朝と夕刻のシートライアル。もうすっかりボートオーナーの気分。「いつかは…」を「今から…」に変えさせてしまう魔法のような空間がそこにはあった。
こんなボートショー、日本でできたらと思うのだ。
ボートは実に高額な商品。もちろんショーは屋外でブースは仮設ではあるけれど、そのハンディをモナコやカンヌやジェノバのショーはオーガナイザーと出展者の努力とセンスでセレブな空間を演出しているのだ。見るだけの人達もお洒落をし、デッキシューズを履き、お気に入りのボートを覗きこむのだ…」。夕暮れからはちょっと着飾ってデッキパーティを…。
「いつかは」が「今から」に変わる瞬間です。そんなボートショー、あったら楽しい。
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